ショーヴネ・ショパン

ショーヴネ・ショパン

今や伝説となってしまった感もあるが、ニュイの南、コンブランシアンの村で名手として鳴らしたドメーヌ・ショパン=グロフィエの当主ダニエル・ショパンが引退したのは90年代の終り。その地所を引き継いだのが、ダニエルの長女と結婚したこのドメーヌ・ショーヴネ=ショパンのユベール・ショーヴネ。

40代のユベールが、以前から所有していた区画とダニエルからの地所、合わせて16ヘクタールと広めのドメーヌを切り盛りする。畑においては芽掻きとヴァンダンジュ・ヴェールトをしっかりおこない、収量を抑えるのが義父譲りのやり方で、グラン・クリュからレジオナルまで合わせての平均は、ヘクタール当たり40ヘクトリットル前後という低さ。

植えられているぶどうの樹齢も総じて高い。グラン・クリュはクロ・ヴジョーのみだが、シャンボル側のクロに接する中ほどの0.4ヘクタールは、義父ダニエルが1960年代半ばに手に入れた平均樹齢50年を数える区画。他に、ニュイ=サン=ジョルジュのプルミエ・クリュではアルジラが40年ほどで、ミュルジェは半分が50年にもう片方が20年、トレにいたっては80年以上の超老ぶどう樹が植わっている。加えてヴィラージュの区画、ニュイのシャルモットは1927年と1947年という植え付け。

またドメーヌで最も生産量の多いコート・ド・ニュイ・ヴィラージュは5ヘクタールの広さで、ニュイの南、プレモー、コンブランシアン、コルゴロアンの3ヵ村に分かれてあるが、植えられているぶどうの樹齢は10年から70年に達し、平均でも40年以上のヴィエーユ・ヴィーニュとなっている。ワインの醸造、瓶詰めは別々におこない、日本向けはコンブランシアンの区画から。

ワインは全体に柔らかでバランスのよい、艶やかな味わいのもので、フィルターをかけないため、その果実の奥にはタンニン、酸などの構成要素も十分に保たれていて、長期の熟成も可能であることをうかがわせる。そしてグラン・クリュやプルミエ・クリュだけでなく、ヴィラージュやレジオナルにも上記のキャクターはしっかりと備わっていて、ショーヴネ=ショパンの味わいを気軽に愉しむにはピノ・ノワールがお薦め。

その酒質の割にまだ知名度の高くないショーヴネ=ショパン。他の著名なつくり手と較べると価格も低めに抑えられていて、今まさに飲み頃といえるドメーヌである。

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